1923年にアメリカより2両輸入された蒸気式ロータリー除雪車を元に国内で量産した車両がキ300型(のちにキ
600型に改番)です。車内に蒸気機関車に類似したボイラーを持ち、これにより頭部のロータリーを回転させ線路
上の雪を跳ね飛ばします。外観は蒸気機関車に似ており、ボイラー部を箱型ボディに置き換えたような形状です
が自走は出来ず、後ろから別の機関車で推進される事により走行しました。1948年~1949年に増備された車両
はボイラーの変更により排雪能力向上、車体組み立ての一部溶接化などの改良が行われた事でキ620型に形式
が変更されました。
キ600型とキ620型は日本各地の豪雪地帯で活躍しましたが、後にDD14型ロータリー式ディーゼル機関車が開
発されると徐々に置き換えが進み、1975年に形式消滅しました。
キ621はキ620型の2号機として1948年に製造、長岡第一機関区に配置され、新潟地区で活躍しました。1968年
以降は制限最高速度65km/hを示す黄帯がボイラー部だけでなくテンダーにまで巻かれた特徴的な姿となりまし
た。廃車された後は磐越西線野沢駅最寄りの福島県耶麻郡西会津町の如法寺にキ100型と共に保存され、現
在もその雄姿を見ることが出来ます。